スマホにかざすと光るNFC LEDコイルを自作する

スマートフォンにかざすと、バッテリーなしでピカピカと光る不思議なNFC LEDがあります。ネイル用の光るチップなどとして市販されていますが、Amazonなどで買うと1個300円から500円ほどして、工作に組み込んで使うには地味に高いなと思っていました。
作り方はとても簡単。(ALT参照)
— kame404 (@kame404) July 7, 2025
いずれ基板から設計したい。 pic.twitter.com/RNo4CuBUzr
そこで、AliExpressでチップパーツを調達して、自分で作ってみることにしました。1個あたり十円程度の材料費で作れるので、その作り方を紹介します。
電池なしで光る仕組みと共振の計算
多くのスマートフォンにはNFC(近距離無線通信)の機能が入っていて、背面のアンテナから13.56MHzの電波を定期的に発信しています。ここにコイルを近づけると、電磁誘導によってコイルに交流電流が流れます。
ただコイルを繋ぐだけでは電磁誘導の力が弱くてLEDは光りませんが、コンデンサを組み合わせて共振回路にすることで、13.56MHzの電波を効率よくキャッチしてLEDを光らせるエネルギーに変えることができます。
コイルのサイズは、MakerChipなどの工作に組み込みやすく、かつiPhoneのNFCアンテナの大きさに近い「直径3.0cm」にすることにしました。0.3mmのポリウレタン銅線を使って3回巻くと、インダクタンスは理論上だいたい0.6〜0.8μHほどになります。
ここから共振周波数の計算式(Cについての式に変形したもの)を使って、NFCの13.56MHz付近でぴったり共振するコンデンサの容量を逆算した結果、220pFのチップコンデンサを組み合わせることにしました。
銅線のひねり具合や隙間でインダクタンスが少し下がって0.63μHあたりに近づくため、狙い通りバッチリ共振してくれる計算です。
道具とパーツの準備
AliExpressで1206サイズ(3.2mm × 1.6mm)のチップコンデンサ(100個で571円)と、チップLED(100個で593円)を購入しました。1206サイズはチップ部品の中では比較的大きめなので、ピンセットやルーペを使わなくても肉眼と手だけで作業ができておすすめです。

LEDの色は赤色にするのが一番簡単です。LEDは色によって光るために必要な電圧(Vf)が異なり、赤や黄色は1.8V〜2.0V程度で光りますが、青や白は3.0V以上必要なため、赤色のほうが弱い電波でも簡単に光って失敗しにくいと思います。
あとは、0.3mmのポリウレタン銅線を1個あたり28.3cm(直径3cm × 3周 ≒ 28.27cm)にカットして用意します。接着剤にはセメダイン3000ゴールドを使用しました。
作り方とはんだ付け
まずはチップコンデンサの上にチップLEDを接着剤で重ねます。つまようじの先にほんの少しだけ瞬間接着剤をつけて、コンデンサの中央部分にちょこんと塗り、その上にLEDを重ねます。端子の金属部分に接着剤がつくと電気を通さなくなってしまうので注意します。

1円玉と並べるとこのくらいのサイズ感になります。

次にポリウレタン銅線を用意します。はんだごての熱で銅線の両端にはんだをあらかじめ馴染ませておきます。
パーツが動かないように作業台に適当なテープで固定したら、銅線の両端をコンデンサとLEDの電極に渡すようにして、気合いではんだ付けします。この時点ではコイル状に巻くのではなく、大きな1つの輪っかにしておきます。

はんだ付けができたら、大きな輪っかをひねるようにして3重に重ねて、直径3cmのきれいなコイルにします。特にペンの軸などに巻かなくても、ひねって広げるだけでいい感じの円になります。

スマートフォンにかざしてみる
完成したコイルをiPhoneの背面、カメラの横あたりにあるNFCアンテナの位置にかざしてみます。

iPhoneがロック画面の状態でも、近づけるだけでピカッと光りました。NFC読み取りアプリを起動して、スマホが積極的に通信している状態にするとさらにまぶしく光り輝きます。
かれこれいろんな色で10個作りましたが、今のところ1度も失敗せずに一発で光ってくれています。案外雑に作ってもなんとかなるようです。
自分がはんだ付けした小さな部品が、目に見えないスマホの電波をキャッチして電池なしでピカピカ光る様子は、作ってみると本当に面白くて感動します。ぜひ試してみてください!
iPhoneのNFCの電波を拾ってLED光らせるやつ、ついにできた!!! めちゃくちゃうれしい
— kame404 (@kame404) May 27, 2026
想像以上にしっかり光ってくれる pic.twitter.com/DSok1RNJSi
