JRRF2025に向けたMakerChip製作記

はじめに

2025年6月14日から15日にかけて開催される3Dプリンターのイベント「Japan RepRap Festival 2025」の2日目に、遊びに行くことにしました。

MakerChip文化

イベントについて調べていく中で、「MakerChip(メーカーチップ)」という文化を知りました。直径40mm、厚さ3mmから3.5mmの円形コインを、製作者同士が名刺代わりに交換するらしいです。

早速Xで「MakerChip」を検索してみると、多色印刷を駆使したり、QRコード印刷など、技術とアイデアが凝縮されたチップの数々。自分もオリジナルのMakerChipを製作してみたいと思いました。

制約

しかし、私の製作環境にはいくつかの制約がありました。

  • 機材: Bambu lab A1 mini (AMSなし)
  • 材料: 白色マットPLA
我が家のA1 mini。コンパクトで非常に優秀ですが、多色印刷ユニットAMSは未導入です。

他の参加者が多色印刷で表現の幅を広げている中、私は白一色という縛りで戦わなければなりません。唯一の救いは、構造色を転写できるビルドプレートを所有していること。これを使えば、チップの底面に光の角度で色が変わるキラキラとしたエフェクトを加えられます。

MakerChipは名刺としての役割を担うため、できるだけ多くの方と交換できるよう、大量に準備することが推奨されています。

目標

これらの制約を踏まえ、

  • 速く印刷できること
  • 歩留まりがいいこと
  • 白一色でも見劣りしないこと

という目標を立ててみました。

デザインのモチーフには、私のアイコンを採用することにしました。

モデリングは、Blenderで行うことにしました。

試作

最初に設計したのは、中央にアイコンを配置し、外周に沿って私のIDを並べたデザインです。

しかし、これをプリントしてみると、

  • 文字が小さすぎて、判読が困難
  • 文字を綺麗に出力しようと0.2mmノズルを使用、印刷に一枚あたり約50分もかかってしまった
  • 白一色で凹凸も浅いため、デザインがのっぺりと見える

という問題が浮上。

失敗作。文字は潰れ、ロゴもはっきりしません。

改良

アイコンを構成する各パーツにおいて、底面の面積を縮小しました。正面から見るとアイコンが土台からわずかに浮き上がっているように見える効果を狙いました。

外周に配置していたIDのアルファベットを大きくし、標準的な0.4mmノズルでも問題なく、かつ高速に印刷できるようにしました。

改良版の断面図。底面を絞ることで、陰影が生まれやすく。

アイコンが乗る土台部分の厚さを、積層1層分まで思い切って薄くしました。土台部分が半透明となり、結果として、アイコン部分と土台部分とで、同じ白色のフィラメントでありながら微妙な色の違いが生まれました。

これらの改良の結果、一枚あたりの印刷時間は12分まで劇的に短縮され、歩留まりも100%を達成。とりあえず100枚用意してみました。

白色単色ではつまらないので、ダイソーのきらきらアクリル絵の具も塗ってみました。

まとめ

当日、会場でお会いできましたら、ぜひこのMakerChipを交換させてください。皆さんの素晴らしい作品に出会えることを、楽しみにしています。